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Aqueous triplog

きままに いたずらに

池田町サラダ

単発

すごくご当地メニューっぽいですが、JR四国阿波池田駅の所在地(徳島県三好市池田町サラダ)です。
この三好市(旧池田町)はカタカナ地名がごろごろしており、カタカナでサラダって書かれてるともう食べ物にしか見えないので、元の漢字を調べてみた話をまとめておきたいと思います。


まず、現在の地名については三好市のサイトを、旧表記である漢字については三好郡志を参照しました。

というわけで「サラダ」を含む、三好市池田町●●の地名。

現地名 漢字
池田町イケミナミ 池南
池田町イタノ 板野
池田町ウヱノ 上野
池田町ウヱマツ 植松
池田町クヤウジ ※供養地
池田町サラダ 皿田
池田町シマ
池田町シンマチ 新町
池田町シンヤマ 新山
池田町トウゲ
池田町トウリン  
池田町ハヤシ
池田町マチ
池田町ヤサン  
池田町ヤマダ 山田
池田町ヲウトウ 大道

現地名としては「クヤウジ」「トウリン」「ヤサン」、郡志掲載の地名としては「寺ノ塔」「鍵掛」が宙に浮きました。

「ヲウトウ/大道」については、たしかに「大」という字は「ヲ」を振る字ではなく、しかも和語なので「オオ」となるべきですが、後に出てくる例からこれでよいと思いました。仮名遣いということでいえば「上野」は「ウヱノ」ではなく「ウヘノ」であり、現代仮名遣いでは「ウエノ」となる気もしますが、こちらも大雑把にこんなもんかなという印象。
そういう意味では「植松」が「ウヱマツ」となっているのは正しいですね。ワ行下一段活用ですからね、懐かしいですね。みんな古文でやったはずです。

※印の「クヤウジ」については大正2(1913)年の統計書に「供養地」の文字が出てくるのでこれ。なお、このページだとまだ漢字のように思えますが、別ページではカタカナになっていたりしますし、明治42(1909)年に内務省が出したものにサラダの文字が記されているので既に変わっていたようです。


さてこれで気が済んだといえば済んだのですが、住所一覧を見ていると小字の部分がカタカナ地名であふれていたので、ついでにこれについても突き合わせてみました。


ほぼほぼ綺麗に収まった中西・中津川・白地から。

池田町中西
アイノフチ 間淵
イバ 射場
カシノウチ 樫野内
カマトコ 釜床
コノ 小野
コヤシキ 古屋敷
サキヤマタ 先山田
サコダ 佐古田
サルガワ 猿川
シバツク 芝津久
ジンテン 神田
タケノウチ 竹ノ内
タテイシ 立石
タマノクボ 玉ノ久保
ツヱタニ 杖谷
テンジン 天神
ガウチ 中内
ナカサコ  
ナガタ 長田
ナガノ 長野
ナカヤ 中屋
ナシノキ/ナシノ木 梨子ノ木
ナルタキ 鳴瀧
ヒサゲ 久毛
フジグロ 藤黑
フナイシ 船石
フナト 船戸
フルトノ 古殿
フロノタニ 風呂ノ溪
ホガ 保賀
ホリ
ホリキリ 堀切
マガリタ 眞刈田
ミヤヲカ 宮岡
ヤマバタ 山畑
ヲウクボ 大久保
ヲウタニ 大谷
ヲウヒラ 大平
ヲカダヲ 岡田尾

中内がナガウチになったりしていますが、かなり綺麗に収まりました。
ここでも「ヲウ/大」の関係が登場していて、先ほどの「ヲウトウ/大道」はあれでよかったのだとわかります。

池田町中津川
カヅライ 葛井
コヤノタニ 小屋ノ谷
ゴミダニ 埃渓
タケダニ 竹谷
ニシクボ 西久保
ミチウヱ 道上※
ミチシタ 道下

※「ミチウヱ」については掲載ないものの「道下」があるので対称として「道上」でよさそう

池田町白地
ウマバ 馬場
ノロウチ 野呂内
フコヲヘ 府甲部

空欄も多めの大利・川崎・漆川。

池田町大利
ヲニイシ  
カゲヤブ  
コニワ 小庭

埋まりませんでしたが、「鬼石」「蔭藪」な気はします。

池田町川崎
アカ子  
あみご婦  
あみさしの尾 網指ノ尾
あんこく  
かさまつ  
蔭ゲ
上ミ屋敷 上屋敷
京デン ※京田
コシキ  
下タ井ノ久保 下井ノ久保
白カイチ 白市
スケノ 菅野
セリ  
タビノクチ  
トヤノ滝 戸屋瀧
西コヤシ 西肥
ハシカ山 走鹿山
ヒビノ内 日比野内
ヒヤノ滝 枇杷ノ瀧
ひよふの 日用野
ふじのとち  
むくいの  

ここは現在の方が小字の数が多くて、埋まりませんでした。
※印の「京デン」は近くに「京田」というバス停があるのでおそらくそれ(ただし住所は池田町大利
「ヒヤ/枇杷」はちょっと無理な感じもしましたが、琵琶笛とかあるのでたぶんそんなんでしょう。
それにしても、「蔭ゲ(かげ)」「上ミ屋敷(かみやしき)」「下タ井ノ久保(したいのくぼ)」と送り仮名の正誤問題みたいな表記は独特ですね。

池田町漆川
アイハシリ 相走
イシタテ 石立
石ノワレ 石割野
大トブ 大飛
大ナラノヲ 大楢ノ尾
カイルマタ  
カケウス  
カゲ
カゲノ  
カズライ 薜蘿井
カラヤシキ 唐屋敷
キシダ 岸田
クイノ内 杭ノ内
ケイ谷 氣井谷/境谷
コクドウチ 古久堂地
ココゲ/ココヲゲ 小幸下
コマシゴエ 駒子越
ササ尾 笹ノ尾
シウシ 周師
シモヤシキ 下屋敷
シヨブ 正夫
ゼジヤコ 噬雑魚
タノモト 田ノ本
ツバ山 鍔山
トマ谷  
トヲ谷 遠谷
西ゴヤ 西肥
ニシタニ 西谷
ハジロ 羽代/羽代白
フシユウ ※不自由
ホドノ田尾  
ミ子
モリワキ 森脇
ヤスノトヲ  
ヤナクラ ※柳倉
ヲンダ 恩田

ひときわ気になった「カイルマタ」らしきものが見当たらず残念。
※印は郡志に記載ないものの、現地名にカタカナ表記と漢字表記の両方の場所があるパターン。こういう表記ゆれっぽいのはほかにもあって、「日ノ浦/日浦」「母ケ岩屋/母岩屋」「イシタテ/石立」「ニシタニ/西谷」「ミズタニ/水谷」「モリワキ/森脇」があります。

「ゼジヤコ/噬雑魚」「カズライ/薜蘿井」とかは漢字のまま残っていたら難読地名として取り上げられてそうなレベルですね。


さてダラダラ書いてきましたが、最後にカタカナ地名の分布について。

f:id:aqua_161:20151128221749p:plain:w480
e-Statのデータより作成した2006年までの池田町域。旧池田町(赤)、旧三縄村(ピンク2色)、旧佐馬地村(紫2色)、旧箸蔵村(黄緑)。

旧池田町はともかく、旧三縄村(1959年に池田町に編入)では町村制以前の中西・大利・漆川・川崎・中津川各村(濃いピンク色)にはカタカナ地名が見えますが、松尾村(薄いピンク色)には出てきません。
また、旧佐馬地村(同じく1959年に池田町編入)も町村制以前の白地村(濃い紫色)にはカタカナ地名がありますが、佐野村・馬路村(薄い紫色)には出てきません。最初に引き合いに出したように、明治42年には旧池田町で既にカタカナ地名が採用されていたわけなので、町村制施行以前や、施行時にこれらのカタカナ地名が採用されたと考えるのが自然ですかね。

そんなわけでふとした思いつきでやり始めた結果、案外長くなったのでまとめてみました。旅行記もちゃんと書いてますよ。